かつて百科事典とか文学全集とかが専用書棚付きで売られていた時代もあった。
今は、ネット検索の普及で百科事典は過去のものとなり、電子書籍の台頭で文学全集を買い揃える人も少なくなったのではないか。
一方、雑誌やコミック誌であっても、読み捨てにせず手元に残したい本というものもある。
ネット検索や電子書籍の時代になっても、残したい本があって、それらをしまう本棚も必要だ。
大型本(A4サイズ)用の本棚は、既製品では売っていないのか?
ぼくは写真ページの多い雑誌類やパンフレットなんかが捨てられなくて、こういった大きな本や資料を入れて置ける書棚を探しているんですけど、中々見つからないんです。
こんなのがあるけど、どうだろうか。
一般的な書棚の高さ178センチに対して、IKEAのビリー書棚は202センチもあるよ。
恐らくダメですね。
高さ30センチ近い雑誌やパンフレットをしまうには、1段の高さが最低32センチぐらいは必要なんです。
棚板の移動ピッチの関係もあって、絵のようになってしまって、下から3段目と一番上の段には、雑誌やパンフレットがしまえないんです。
中央の棚板が動かせれば5段で使えるのに、そういう書棚は中々見つからない。
なるほど。
強度を保つために、高さ180センチぐらいの書棚だと、
どれも中央の棚板は天板や底板と同様に固定になっている。
また、横幅のある書棚だと、重量が増して持ち運べなくなるのか、
上下2段に分割できるようになっているのも多い。
いずれにせよ、A4サイズの本で埋め尽くすようには作られていないってことだ。
ちなみにビリー書棚にはオプションの上置きが付けられる。
この上置きが画期的なのは底板がなく、側板を35センチ伸ばして高さ237、7段の書棚にできる点だ。
これなら追加した一番上の段にも大きな本が入れられる。
幅40センチの書棚にしては、ちょっと割高ですね。
コミック誌や文庫本なら、こんなのもある。
これをコミック誌を大量に持っている友人に紹介したら、下の段に入れる大きな本がないとかで、
この書棚は上下で分かれるようになっていて、上だけでも買えるらしいんですが、部屋が狭いので2段重ねにしたいんだとか。
つっぱり式で天井に固定するタイプなら、下段も薄型のがあるけど。
先ほどのビリー書棚もなのだけど、
ぼくの選んだのの2倍以上もする価格。
どこが違うんですか?
究極のこだわり本棚は棚板をオプションで追加できるので、コミック誌を大量に入れるには適していると思う。
但し、落下防止のオプション(ブックガード)を追加すれば、A4サイズの大型本も収められるとあるが、お勧めしない。
価格が2倍以上にもなる理由は、この製品が大型本に向かないことと関係するんだけど、もう少し後で詳しく説明するね。
本にはいろんなサイズがあるけれど・・・
読み捨てせずに手元に残したい本は、人それぞれ。
今はコレクション的に本を残す傾向が強くなっているので、
様々なサイズの本を所有すると言うよりも、小型本だけとか、大型本だけとかに偏りがちだ。
小型本に関しては、以下のような薄型タイプの書棚もあるが、大型本専用の書棚は、中々見つけることができない。
その理由は…、もう少し読み進んでください。
棚板が移動できるとの理由だけで「A4サイズまで収納可」とある書棚も、大型本で埋め尽くすようには作られておらず、かろうじて文庫本が入る程度の高さのムダな段ができてしまうものばかりだ。
実は、調べていくうちに、大型本には、もう一つの問題があることに気づいたんだ。
これって大型本に限らずありますよね。
何年か経つと、だんだん棚板が曲がってくる。
これは棚板1枚あたりの最大荷重を超える本を入れた結果なんだ。
最大荷重?
「最大荷重」とか「耐荷重」と言って、棚板に載せられる本の総重量の最大値のことだ。
例えば最初に紹介したIKEAのビリー書棚(40センチ幅)の最大荷重は14Kg。
直前で紹介したコミックラック(60センチ幅)の最大荷重は3Kg。
冊数に換算すると、どのぐらいなんですか?
本の重さはサイズと紙質で大きく変わる。
A4サイズの写真誌だと、厚さ1センチの本で約400グラム。
新書サイズのコミック本だと、厚さ2センチの本で約180グラム。
一応の目安なので、実際にはしまいたい本の重さを測ってみることだ。
それぞれの書棚の1段あたりにしまえる冊数を計算すると、次のようになる。
ビリー書棚(40センチ幅)だと、A4写真誌(厚さ1センチ)を35冊まで。
コミックラック(60センチ幅)だと、コミック本(厚さ2センチ)を16冊まで。
2×16=32センチ。
コミックラックは棚板いっぱいに本を載せられないんですね。
棚板の片側半分にはフィギュアでも飾れってことだよ。
色々と調べていくと、ビリー書棚のように最大荷重が十分あるものの方が少ない。
特にコミックラックのように奥行のない書棚は、同じ板厚だと、板幅が狭い分だけ最大荷重が小さくなってしまう。
究極のこだわり本棚も最大荷重10Kgしかないので、1段にA4写真誌(厚さ1センチ)を25冊、つまり棚板の幅25センチ分までしか収められない。
片側半分にはぬいぐるみでも飾りますかーぁ。
ビリー書棚の素材は、パーティクルボード。
コミックラックや究極のこだわり本棚は、プリント紙化粧繊維板(MDF)。
いずれも木くずを樹脂接着した素材で、比較的安い家具に用いられている。
MDFは厚くて硬いボール紙のイメージに近い。
パーティクルボードは木くずをMDFのように粉状にはせず、数ミリ大のチップ状のものを固めたものなので、しなりのない合板(ベニヤ)のイメージだ。
いずれも木材のような方向性がなく加工しやすいのだが、逆に言うと強度が木材よりも劣るから曲がりやすいし、一度曲がってしまうと元に戻らない。
木材を使用した書棚だと、
丈夫なものがあるってことですね。
例えばヒノキを使ったこんな書棚がある。
最大荷重は30Kgなので、大型本を棚板75センチ幅いっぱいに入れても大丈夫だ。
棚板のピッチが9センチなので、ちょっと1段の間隔が開きすぎるんですが、天井までだと6段すべてに入れられそう。
棚板3枚が余っちゃうけど。
IKEAのビリー書棚なら120センチ幅が同じ価格帯と言える。
最大荷重は14Kgだが、棚板の幅が頑丈突っ張りシェルフラックの半分しかないので、強度的にはほぼ同じだ。
但し、こちらは7段あるが、大型本が入れられるのは5段になる。
書棚を大型本で埋め尽くすのにこだわらなければ、
同じ価格帯でより多くしまえるビリー書棚の方がいいってことですね?
但し、完全に予算オーバーです。
今まで紹介してきた書棚は全て組み立て式だ。
頑丈突っ張りシェルフラックに至っては単なる棚。
突っ張り構造は難しいが、棚だけならDIYで作れそうだ。
書棚はDIYで作るといくら?
ぼくも頑丈突っ張りシェルフラックを見て、SPF材を使って自分で書棚を作れないかなぁと思ったんです。
ホームセンターとかでよく見かけるSPF材は、比較的やわらかくて加工がしやすいのと、何といっても安価な木材で、DIYにはピッタリだ。
ツーバイフォー工法の材料として知られているSPF材の基本は、2インチ×4インチ、約5センチ×10センチ径の柱で、長さは8フィート(約180センチ)ある。
2×4、長さ10ないし12フィートの柱をお店でカットしてもらい、下のような2×4アジャスターやディアウォールと言う突っ張り器具を使えば、書棚用の柱を部屋の中に立てることができる。
ぼくはSPFの板材を使って本箱のようなものを作れないかと思ったんですけど、突っ張り式で柱を立てるには意味があるんですか。
一般的な書棚の形状にするには、直角、水平をきちんと取らないといけないが、突っ張り式なら多少柱が傾いていても、それに合わせて棚板を取り付ければ済む。
それと、お店でSPF材をよく見て欲しいんだけど、節があったりもして、曲がりの全くない板や柱はほとんどないはずだ。
曲がったままの材料を使って箱形状にするのは至難の業だと思う。
曲がりに合わせてカットできないから、隙間ができたり、歪んだ形になってしまうんですね。
とりあえず、突っ張り式で2×4の柱を4本立てて、棚板を取り付けた場合の費用を出してみた。
- 縦柱
- 2×4,10フィート、片側カット1ケ所・・・700円 × 4本 = 2,800円
- 2×4アジャスター・・・900円 × 4セット = 3,600円
- 棚受け柱(2本の縦柱の間に取り付けて、はしご状にする)
- 2×4,6フィート、6本にカット・・・800円 × 3本 = 2,400円
- 棚板(曲がりを考慮して幅6センチの板を4枚ですのこ状にする)
- 1×3,6フィート、3枚にカット・・・650円 × 10枚 = 6,500円
幅60センチ、7段の書棚を作るには、ネジや金具代抜きで、15,300円ぐらいはかかりそうだ。
IKEAのビリー書棚40センチ幅、上置き付きと同額ぐらいですね。
そうなんだけど、側板がないので、本が倒れて落ちないためにはブックエンドが必要になる。
ネジやブックエンドをダイソーで揃えても、後2,000円程度はかかる。
総額17,000円以上になると思った方がいい。
ますますビリー書棚と大差がないってこと?
元々安価なパーティクルボードで組み立て式のビリー書棚は、ほぼ材料費のみのようなもの。
安価なSPF材を使って自作したところで、費用的には大差がないのは仕方がないのかも知れない。
まあ、DIYなら大型本で埋め尽くせるが、既製品だと2段分は大型本以外に使うしかないので、多少のメリットはありそうだ。
ところでDIYショップでも、木目印刷されたパーティクルボードの板が売られていたんですが、棚板1枚で3,000円とかして、SPF材しかないかと諦めたんです。
SPF材ではやはり見た目がごつくて、ビリー書棚の方がいいかな。
ビリー書棚は予算的に厳しいなら、カラーボックスを材料にして書棚を作る方法もある。
カラーボックスを使う場合のポイントは、やはり最大荷重だ。
パーティクルボードを使った、割としっかりしたカラーボックスでも最大荷重は10Kgしかない。
大型本(厚さ1センチ)25冊分、つまり棚板で本に使える幅が25センチ。
一般的なカラーボックスの棚板の幅は40センチなので、15センチは空けておくようになってしまう。
いやいや待ってください。
カラーボックスは、1段の高さが足りなくて大型本が入らないです。
だから横にして使っている。
棚板がブックエンド代わりになって、意外と使い勝手がいいんです。
なぁーんだ。
だったら横にしたカラーボックスを何段にも積み重ねればいいんじゃない?
5つ積み重ねれば、幅90センチ、高さ225センチ、5段の書棚になりそうだ。
これなら6,000円ぐらいで済んじゃいそう。
でも、ぼくのカラーボックスは横に積み重ねようとすると、側板同士がピタッとは重ならなくて不安定で諦めたんです。
多くのカラーボックスは横にして使えるものの、積み重ねて使えるようには考慮されていない。
ニトリのカラーボックスCOLOBO(カラボ)も同じだ。
カラーボックスの側面は、棚板等を止めているネジの頭が1ミリ程度飛び出していたり、側板外周に化粧板が貼られていて、外周部より側板が若干凹んでいたりするからだ。
側面外周の化粧板は木工用カッターで削れば何とかなる。
ネジの頭を飛び出さないようにするには、ネジの頭より大きな凹みを掘っておいて、ねじ止めする必要がある。
通常のドリルだと凹みは臼状になってしまうので、均一な深さの凹みが作れる特殊なドリル刃ややすりによる加工が必要だ。
COLOBOのようなパーティクルボードは欠けやすいので、やすりで削り出すことになる。
やっぱり簡単には作れそうにないんですね。
ネジの頭を飛びなさないように側板に凹みを作るのは容易でないので、ネジ穴の位置に穴を開けた板を鋏んで側板同士を重ねる方法も考えられる。
鋏む板も同じCOLOBOの側板を使って、棚板用のネジ穴を大きくくり抜けばいいはずだ。
5つ重ねにするには、鋏むための板が4枚。COLOBOを2つ余計に使うことになる。
COLOBOが7つで8,500円ぐらい。
送料が無料になる。
COLOBOはしっかりしている分、重量が約9Kg。
7つだと63Kgにもなるから、お店で買うよりも配達してもらった方がいい。
今気づいたんだけど、63Kgの全てを使わなくても、組立てた書棚が60Kg近くになり容易には移動できなくなると思う。
ここで、また新たな問題が。
二人がかりでないと組み立ても設置も無理ですね。
やはり板同士を重ねる構造は、重量が増して移動すら困難になりかねないので、避けた方が良さそうだ。
それと縦につながる柱や板のない構造も、強度的に不安なので、横に何段も積み上げるのは避けたい。
簡単には解決しそうにないね。
いいアイデアだと思ったんですが、諦めます。
COLOBOなんだけど、こんなのもあるよ。
棚板の幅が20センチしかないから、最大荷重10Kgでも大型本をぎっちり詰められる。
A4サイズだから縦置きのままでOKだ。
実は楽天やYahoo!ショッピングで扱っていないようなんだけど、ニトリの公式通販サイトに行けば、通販専用として、3段の商品が1,290円(税別)で販売されている。
この製品は通販専用なので、ニトリのお店でも買えないみたいだ。
縦置きで普通に大型本が入るカラーボックスもあるんですね。
ニトリのカラーボックスCOLOBO スリムA4-3段を縦2個、横3個つなぐと、こんなイメージの書棚ができそうだ。
この絵は説明用の合成なんだが、組み立てを容易にするため、上下2つに分けて作って、最後に重ねて金具止めしようと考えている。
重量は上下とも約16Kgなので、一人で組み立てや設置ができるはずだ。
上用と下用は微妙に形状が異なるんだが、基本は2つ分の側板4枚に、3つ分の棚板を取り付けて、3列3段のボックスを作る。
IKEAのビリーボックスの上置きに底板がなかったように、こちらは下用の天板と、上用の底板が兼ねる構造にする。
一番上に天板がないんでか?
この書棚は高さ214センチで、上置き付きビリー書棚の237センチより低いが、天板のない本立てにすることで、本を載せた高さは214センチを超えても構わない。
実質、ビリー書棚の上置きと同様な使い方ができる上に、背が低い分、設置時に天井に触れる恐れが少ない。
更に書棚の重量も軽くできる訳ですね。
上置きに天板がないって、Goodです。
最大荷重10Kgの棚板は幅20センチしかないから、大型本で埋め尽くしても大丈夫だ。
また、棚の幅が狭いから、ブックエンドを使わなくても本が倒れない。
COLOBO 6つ、約8,000円でできちゃうんだ。
SPF材で作るより見た目もスマートだし、材料費も半分以下。
こんなのも考えてみた。
先ほどのCOLOBOを6つ使ったものを2台作って、20センチ離して設置する。
そして、その間を棚板で繋ぐんだ。
COLOBOの棚板はダボ止めにも対応しているので、真ん中の列は棚板をダボの上に載せただけにする。
2台をねじ止めして繋げないのは、書棚を一人で持てる程度の重さにするためだ。
真ん中の列に使う棚板は、棚板だけ買えるといいんだけど。
COLOBOのスリム用の棚板はニトリやニトリの公式通販サイトで購入できる。
後で紹介した幅150の書棚なんだけど、棚板の数は49枚。
COLOBOを6つで1台、2台には12必要で、棚板は4×12=48枚。
つまり棚板のみ追加は1枚だけで済むことになる。
てことは、幅150センチの書棚でも、
16,000円ぐらいでできちゃうんだ。
てな訳で、この続きは「素人大工に挑戦」で報告したい。
実際に作るんですね。
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