CIVIC e:HEVの静音化~インチダウンしてみた

10年超えの愛車フォード・フォーカス(2013年製)に別れを告げ、乗り換え先に選んだのがホンダ・CIVIC(シビック) e:HEV。
今や絶滅危惧種のハッチバックにこだわり、輸入車も含めて乗り比べて、唯一フォーカスの走りを上回った車なのだ(BEVやプレミアムカーは試乗対象外なので断言はしません)。
しかし、しかしである。
CIVIC e:HEVの乗り味はいただけない。
やや大き目なロードノイズとスポーツカー寄り過ぎな乗り味を改善させたく、17インチのプレミアム・コンフォートタイヤに履き替えてみたら・・・とんでもないことに。
後半のスペクトラム解析による客観的な評価も読んで欲しい。

エンジン音がロードノイズにかき消されているってアリ?

CIVIC e:HEVのエンジン音は、アイドリング時でもなければ、車外で聞く限りすごく静かとは言えない。
それなりに元気に回るホンダのエンジン音が聞こえるのだが、そこはアイドリングストップや走り出しがモーターのハイブリッド車なので、聞く機会が中々ないのである。
停車中にアクセルを踏んだって空ぶかしなんてことはできないので、エンジンを十分冷やしてからスタートボタンを押してみよう。
エンジンが温まるとエンジンは停止してしまうので、エンジン音を確認できる時間はわずかだ。
窓を開け車外音を聞き、窓を閉めて遮音性がいかほどか確認すると、意外なほどエンジン音が聞こえるフツウの車と言うことが分かる。
「えっ?! CIVIC e:HEVってエンジンがいつかかったか分からないぐらい静かだと巷で言われているけれど」
その意見には筆者も否定しない。
実際、この車をNORMALモードで走らせると、メーターパネルのEV表示が点いたり消えたりする。
つまりエンジンが止まったり回ったりしているのだが、エンジン音で確認できる機会は中々なく、むしろわずかなエンジン振動の有無で分かったりする。
なぜか。

筆者が考えるに、CIVIC e:HEVに搭載されている新型エンジンは、低回転時の騒音を徹底的に小さくしているのではと思われる。
逆に高回転時の騒音はそれなりの大きさにして、加速時の疑似変速音を生み出しているのではないか。
そう、CIVIC e:HEVのエンジン音はアクセルをグッと踏んだ時の加速時に聞こえるものの、それ以外で聞こえることはほとんどないのだ。
だから始動時の暖機運転でエンジン音を確認するしかないのだ。
そして、このエンジン音を聞かせるためか分からないが、この車の遮音性はそれほど高くない。
勿論、並みのCセグメント車の作りはしているので、ドアを閉める音なども、決してチープではないのだが。
BEVに見られるようなドアパッキンが3重になってもいないし、遮音ガラスも採用されていない、あくまでもフツウの車なのである。
それでも低回転時のエンジン音の小ささは特筆ものなのは、恐らくノイズキャンセリング機能が効いているためと思われる。
このノイズキャンセリングにも周波数特性があるようで、ホンダは低音域のみを低減することで、エンジンのこもり音を減らしているらしい。

さて、CIVIC e:HEVをNORMALやECONモードで走らせると、ホンダの意図とは反して加速時のエンジン音が気持ちいいほどには聞こえてこないのだ。
スピーカーでエンジン音が増幅されるSPORTモードですら、もっとエンジン音が大きくてもとの声もある。
一方、この車のロードノイズは結構大きい。
いや実際には他の音がないから、ロードノイズばかりが目立つのかも知れないが。
ともかく路面によるところが大きいとは言え、エンジン音がロードノイズにかき消されることがしばしば起こる。
高回転域のエンジン音を聞かせるため遮音性をフツウのままにしたのが仇となり、車速に比例したロードノイズが車内に入ってきてしまうのだ。
少なくとも他社のEV走行より車内騒音は大きいのは事実だろう。
もちろん、CIVIC e:HEVの履くミシュラン・パイロット スポーツ 4が、コンフォートではなく扁平率40のスポーツタイヤであることも影響しているはずだ。
ホンダの選択は正しかったのか・・・。

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静音化 = デッドニングではないのか

最近、エンジン音のないEV走行の車が増え、ロードノイズの大きさが気になる人も増えてきている。
そして、従来カーオーディオで行われていたデッドニングが、ここにきてロードノイズ対策としても注目されている。
タイヤハウス内を吸音したり、防振対策することで、ロードノイズの車内侵入を減らそうと言う試みだ。
ただ、ロードノイズはタイヤと道路との接地面で発生するので、タイヤハウスよりも車内の床、ドアを防振して車外騒音の進入を減らした方が効果的だとの考えもある。
筆者はCIVIC e:HEVのロードノイズ対策として、まずはデットニングを考え、実績の多そうな業者、数社に対策方法の提案と見積を取ってみた。

まず、意外と多かったのが、タイヤハウス内を防振塗装する工法だ。
従来の錆止め塗装から発展させたと思われるもので、使われる塗料もプレミアム錆止め塗装で使われている物。
ペラペラのタイヤハウスであれば、ある程度の効果が期待できそうだ。
この工法は安価と思われたが、実はタイヤハウス内に防音・防振シートを貼る工法と大差がない。
要するに塗装の方がシートを貼るよりも手間がかかるってことか。
確かに塗装面以外をマスキングしたり、塗料が乾くまで時間がかかったりで工賃が高くつくようだ。

タイヤハウス内に防音・防振シートを貼る工法は、話題性が先行している感がある。
話題の主はフォーカル プラグ&プレイと言う施工業者で、フランスのカーオーディオメーカー フォーカル社製の遮音シートを使用し(最近は施工業者のグループ企業ビーウィズ社製のシートに変えつつある?)、短時間で施工するサービスのようだ。
このサービスがウケているのは、従来のデッドニング施工のように車を数日間預ける必要がなく、数時間で施工してもらえるのと、料金表が公表され、比較的安価なためと思われる。
しかし、いわゆるインフルエンサーの過大評価に対して、ほぼ効果を実感できない人もいて、その辺はフォーカル プラグ&プレイ側も十分わかっているようで、このサービスを「消音化」とは呼ばず「調音施工」と称している。
つまり騒音測定しても音圧の低減は保証しませんと言うことだろう。
「少し籠った音になってロードノイズが以前より気にならなくなった」と言う評価は、言い換えると10万円以上もの出費に納得するための言い訳のように聞こえる。
シート貼り工法はフォーカル プラグ&プレイ以外の業者でも行われており、見積を取ると、このサービスよりも1,2割安価な所と、3割ぐらい高い所まで様々であったが、どこも共通するのは「ロードノイズが減りますよ」とは言わず、「こんな方法もあるみたいです」と言って、最終的な施工内容を客の判断に委ねる点だ。

何社もの見積を取っていくうちに分かってきたのは、タイヤハウスへの施工は、業者自身も疑問を持っているのではと感じられたことだ。
施工した後に客からクレームを受けないように慎重な回答に徹している。
そして、よりまっとうな業者はタイヤハウス以外に、車内の床やドア、インパネ周りのデッドニング施工の選択肢を提示してきた。
ロードノイズの発生源となっているタイヤと路面とが接する場所を覆うことは不可能だ。
発生源から50cmも離れているタイヤハウスの施工で効果が出ること自体、考えてみれば無理がある。
それに比べれば車内への音の進入を減らすデッドニング施工の方が期待が持てそうだが、問題は施工費だ。
タイヤハウスに比べ、車内の形状は複雑で、施工面積も広い。
床、ドア、インパネ周りまで施工すると、大体50万円ぐらいはかかってしまう。
しかも、ここまでしても耳に一番近い窓ガラスからの音の進入は防げないのだ。
さすがに厚さの異なる遮音ガラスへの交換はできそうにない。
元々デッドニングはオーディオマニアの趣味が高じたもの。
良い音の為ならお金は惜しまないという人たちにとっては、高級オーディオに価格相応のデッドニング施工費も納得できるものなのだろう。
しかし、ロードノイズに悩むユーザと、良い音でオーディオを聴きたいユーザは違うのだ。
10万円の出費なら考えるが、50万円となると施工することを諦めてしまう。
筆者は音にもこだわりは持つが、車は消耗品であって、数年、長くても10年もすれば手放すことから、そこに大枚を出す気にはならない。
デッドニングでの静音化は施工費が高すぎて、一般ユーザにとって現実的ではないと考える。
今の車への執着を捨て、遮音ガラスの入った高級車に乗り換えた方が賢明だ。

今の車、どこで売る?

コンフォートタイヤでロードノイズは減るのか?

筆者は、ここ20年ほど、夏タイヤを買い替える際に純正からブリヂストン REGNOに履き替えている。
また、スタッドレスとのタイヤ交換を自分でやっている筆者は、車から外したホイール付きのタイヤを扱うことがある。
その時感じるのは、REGNOはスタッドレスタイヤと違い重く、また弾ませた時の音が低い。
コンフォートタイヤはやわらかいのではと思いがちだが、少なくともREGNOは同社のBLIZZAKより硬い(当たり前か)。
では、なぜREGNOは静かなのか。
素人の筆者が思うに、響きづらいゴム素材(重量増を伴う)と、響きづらい溝パターンによるものではないかと。
ゴム素材の違いは弾ませた時の音が低音寄りな点。
そして溝パターンは、溝自体が細いこともあるが、回転方向に対して斜めになっている点だろう。
恐らく斜めにすることで、路面をかんだ時のタイヤ表面の振動発生を減らせるのではないか。
そして、斜め溝でグリップ力が落ちる分を、路面との吸着力を増したゴム素材で補っているのがREGNOのような気がする。
だからREGNOに履き替えて毎回感じるのは、静かさよりも乗り心地なのだ。
路面にピタッと貼り付くようで、かつ、しっとりとした乗り心地で、聞こえて来るロードノイズも気にならなくなる。
あれ? REGNOって静かなタイヤなんだよね。
気になって調べてみると、REGNOの静かさって他のタイヤに比べて大差がないとの評価がいくつも見つかった。

筆者のREGNO仮説に基づいて、改めてREGNOのロードノイズに着目すると合点のいくことがある。
まず、REGNOは路面状態が良いと、とても静かだ。
言い換えると路面状態が良くないフツウの道では、ロードノイズもそれなりに大きくなる。
恐らく路面への貼り付きが強い分、荒れた路面ではタイヤが拾う振動も大きくなってしまうのではないか。
但し、REGNOの発するロードノイズは、ガーではなくゴー、チョット低めだ。
一般に遮音は低音域の方が難しい。
窓を閉めた車内に入ってくる騒音特性は、高音域に行くに従い良くなる傾向にある。
結果、REGNOの発するゴーのロードノイズの方が車内に入りやすいのだ。
この為、周波数を考慮しない騒音計で評価すると、REGNOは他のタイヤよりもロードノイズが大きいとの評価がいくつも見つかったのだと思われる。

コンフォートタイヤの代表格のように思われたREGNOであったが、こうやって疑ってみると他のタイヤの選択肢もありそうだ。
また、静かさに過度な期待は持たない方が良さそうとも思えてきた。
そこで、フツウな道を多く走る筆者は、フツウな道で静かなタイヤを選ぼうと思う。
そしてREGNOは、ロードノイズの遮音性に秀でていそうにないCIVIC e:HEVの選択肢からは、今回は外してみようと考える。

コンフォートタイヤに履き替えるには、いくらかかるのか

もし仮にロードノイズ対策として効果に疑問のあるものの、タイヤハウスを中心としたデッドニングをした場合の費用は、比較的安価な業者で10万円から20万円程度だ。
10万円の価格差は、防振シートの素材に高級品を用いたり、吸音シートを追加したり、リアタイヤの室内側、すなわちラゲッジ床へも防振シートを貼るか否かだ。
ラゲッジ床への施工を考慮せざるを得ないのは、CIVICがハッチバック車であるだけではなく、防音効果のあるラゲッジボードが付かないため(ロールカーテンのような布で目隠しする仕様)でもある。
よってCIVICの場合は最低15万円程度かかるものと思われる。
今回は、この金額を予算目安として、デッドニングではなくタイヤ交換によるロードノイズ対策が可能か検討してみる。

まず、プレミアム コンフォートタイヤの最低価格(2023/9)を価格ドットコムで調べてみた。
タイヤサイズは235/40R18。

  • ブリヂストン REGNO GR-XII (33,600円)
  • ミシュラン PRIMACY 4+ (28,999円)
  • ダンロップ VEURO VE304 (29,400円)
  • ヨコハマ ADVAN dB V552 (該当なし)

1本約3万円(さすがに選択外のREGNOは高いのう)
タイヤ組み換え費用も含めると費用は最低13万円はかかりそうだ。

次に、ロードノイズ低減や、乗り心地をよりソフトにする手段としてインチダウンがあるので、17インチタイヤに交換する費用も調べてみた。
タイヤサイズは215/50R17。

  • ブリヂストン REGNO GR-XII (22,440円)
  • ミシュラン PRIMACY 4+ (20,500円)
  • ダンロップ VEURO VE304 (19,800円)
  • ヨコハマ ADVAN dB V552 (21,500円)

1本約2.1万円。
インチダウンなのでホイールを新調しなければならない。
純正ホイールはデザイン性だけでなく、タイヤの鳴きを抑える加工が施されている高性能なものだが、17インチ用は日本国内で入手することは困難だ。
また、コンフォートタイヤにすることでタイヤの鳴きはある程度抑えられると考え、デザイン性のみで選ぶことにする。

左が純正18インチ、右が交換予定の17インチだ。
17インチだからと言って扁平率50なので、筆者的にはこれでも十分カッコいいと思う。
ホイールはオートウェイで1本11,800円。
組み換え費用を含めると約14万円と、インチダウンによるコストアップは僅か1万円(オートウェイありがとう!)。
ホイールの価格次第ではあるが、コンフォートタイヤに交換を考えるなら、一気にインチダウンまでした方が得策なのが分かる。
ちなみにインチダウンの有無にかかわらず、純正タイヤのミシュラン・パイロット スポーツ 4は、走行距離1000Km未満の優良中古タイヤとして売却できるので、最終的にはタイヤハウスを中心としたデッドニング費用を十分下回りそうだ。
ちなみにインチダウンする場合は純正ホイールも売却可能だが、筆者はスタッドレス用に使う予定である。

ところで純正タイヤからの交換では、サイズだけでなくロードインデックスの違いにも注意が必要だ。
今回リストアップした中ではダンロップ VEURO VE304のみロードインデックスが異なるので、下記のサイトなどで適正空気圧を調べなければならない。

純正タイヤのロードインデックスは95XL、VEUROは91とかなり低い。
上記のサイトで調べると、最大負荷能力が690kgから615kgへと減ってしまい、ちょっと心配だ。

結局、無難なところでブリヂストン REGNO GR-XII以外の選択肢は、ミシュラン PRIMACY 4+とヨコハマ ADVAN dB V552の二者択一のようだ。
メーカー公表値を基にした静粛性能だと、REGNOに次ぐのがADVAN dBらしい。
耐摩耗性ならPRIMACYが優れているらしい。
走行安定性は、PRIMACYとADVAN dBが優れているらしい。
しかし、ネット上の評価コメントを追っていくと、REGNOよりもADVAN dBの方が静かだとか、ADVAN dBはやわらかすぎてハンドリングが甘くなるとの書き込みも見られる。
少なくともPRIMACYが静かだとの書き込みが見つからなかったので、今回はADVAN dBを選んだ。
購入総額約14万円は、果たして無駄に終わるのか、人柱となって試すことにする。

劇的な違いの出た市街地走行は〇か×か

17インチのADVAN dBに履き替えて走り出した瞬間、何とCIVIC e:HEVのモーター音が聞こえてきた。
そしてプジョー・シトロエン車で味わったような、実にソフトで滑らかな走り出し。
CIVIC e:HEVのモーター音はかなり小さく、モーター音の高まりで加速を感じることもない。
むしろ速度が上がるにつれ、例のロードノイズが大きくなっていく。
あれっ!? 意外と音は大きい?
いや、時折、静かに回るエンジン音が聞こえてきたので、恐らくADVAN dBの方が静かなのは確かだ。

では、劇的な違いは何かと言うと、市街地で繰り返されるSTOP & GOの走り出しでの違いに尽きる。
無音からの走り出しで、いきなりロードノイズが聞こえて来るのか否かなのだ。
意識しないと聞き取れないモーター音やエンジン音の中、ロードノイズも聞こえない低速走行はめちゃくちゃ静か~。
そして、ちょっと硬めの乗り味から角が取れたと言うか、ふわふわとした揺れを感じさせない程度の柔らかい乗り味も、爽快シビックとしての走りの共通性にこだわらなければアリなのではないか。
と、言うわけで筆者的には市街地走行は〇、14万円の投資は無駄ではなかった(ホッ!)

次に車を郊外に走らせてみた。
登り坂でアクセルを強めに踏むと、ロードノイズに交じってエンジン音が聞こえてくるのは、純正の18インチ、ミシュラン・パイロット スポーツ 4と変わりない。
但し、ロードノイズの音質に差があって、ADVAN dBの方が甲高く、軽めの音になる。
結果、低いエンジン音はADVAN dBの方が聞きとりやすい。
SPORTモード以外でエンジン音を聞きたければADVAN dBの方が良いだろう。
但し、法定速度を上回る速さでタイトコーナーを駆け巡るような走りにはADVAN dBは適していないようだ。
実際のところ+20km/h程度なら何ら問題なく走れてしまうのがシビックのすごさなのだが、ADVAN dBのソフトな乗り味から、しっかりと路面をつかんでいる感が薄れてしまい、カーブの手前でどうしても不安がよぎってしまう。
ラリーのような走りを求めたければ、当然SPORTモードを使うだろうから、エンジン音はパイロット スポーツ 4でもガンガン聞こえる。
そんな人にとってはADVAN dBに履き替える意味は全くないだろう。
ちなみに元フォード乗りの筆者的には、郊外の山道は〇とも×ともで△としたい。

筆者の地域の郊外は、時々、積雪が数10cm程度になることがある。
また、気温も-10℃を下回ることもあり、凍結道路を走る機会もある。
そんな郊外には、コンクリート舗装の道も残っている。
このような荒れた路面では、ADVAN dBはキャビティノイズ(ホォーン音)が目立つようになる。
その原因が純正ホイールが備える空洞共鳴音を低減させる仕組みがないからなのか、ADVAN dB固有の問題なのかは分からないが、キャビティノイズはロードノイズより高音なこともあり、人によっては不快感が増すかもしれない。
まぁ、エンジン音が静かすぎるから気になりだしたら切がないのだが、パイロット スポーツ 4よりADVAN dBの方がタイヤからのノイズ全般が甲高くなると理解してもらえば良いかと思う。
コンクリート舗装の走行は音的には×、荒れた路面状況をより知りたくもないので乗り味は〇である。

最後に高速道路での走行についてだ。
ある意味、フツーのエンジン車になるCIVIC e:HEVなのだが、ノイズキャンセラーによってエンジンの唸り音が抑えられていることもあり、タイヤ毎のノイズの音質の差がはっきりと分かる結果となった。
ご想像のようにパイロット スポーツ 4よりADVAN dBの方が柔らかく高めのノイズ音になる。
音質的にパイロット スポーツ 4を好まれる方もいるとは思うが、音の大きさ的にはADVAN dBの方が明らかに静かで快適だ。
コンクリート舗装で気になったADVAN dBのキャビディーノイズは、高速道路によくある高架橋のジョイント通過時にはパカーンと聞こえるらしいが分からなかった。
恐らく路面の凹凸の間隔が違って(ジョイント部の方が広い?)共鳴しなかったのだろう。
また、タイトコーナーでの走りに不安のあったADVAN dBだが、緩いカーブしかない高速道路では全く問題がない。
17インチADVAN dB大正解だ〇

ところで高速道路での走行音は静かかと問われれば、それほど静かに感じないのも事実だ。
ゴーと唸るエンジン音が抑えられているCIVIC e:HEVでは、ガーとかシャーと言った中音域のノイズが耳につきやすい。
つまり体感的にノイズが大きいと錯覚してしまう。
しかし、それなりにうるさいトンネル内であっても、ADVAN dBのチョット甲高く柔らかいノイズの方が、カーステレオの音楽を聴くには適していると感じた。
後でノイズレベルを比べたところ、特定の共振周波数を除き、ADVAN dBの方が30%程度は静かなことも分かった(詳しくは次章で述べる)
やはりADVIA dBの効果大である。

実測値からも検証してみた

まずは比較動画を作成したので観て欲しい。

今回、ほぼ新品の純正18インチタイヤ(パイロット スポーツ4)と新品の17インチタイヤ(ADVAN db)を同じ日に、同じドライバー、同じ道で乗り比べた。
録音は助手席のヘッドレスト付近にZOOM社のハンディビデオレコーダーQ2n-4Kを取り付けて、自動音量調整をOFFにして行った。
Q2n-4Kは騒音測定用ではなく、本格的なステレオマイクを内蔵する音楽収録用のレコーダーである。
したがって、周波数特性をフラットにするような補正が加えられていない点や、録音レベルの絶対値に意味がないことを承知いただきたい。
また動画の映像はQ2n-4Kではなく、MAXWIN社のドライブレコーダーMDR-C012を用いている。
動画の途中、一瞬映像が固まることがあるが、これはMDR-C012の仕様上の問題と思われる。
MDR-C012の映像は1分毎にファイルが分割されており、分割された前後の映像フレームがSDカードに書き込まれないようだ。
この為、分割されたファイルをつなげて再生すると、つなぎ目で一瞬映像が固まるようになる。
まぁ、事故の記録用としては何ら支障がないのだが、今回のような用途には適していない機種である。

まず、走り出しから40Km/hの定速走行に到達するまでの比較を、スペクトラム解析グラフで見てみよう。

低速EV走行時の比較

紫色が純正18インチタイヤ(パイロット スポーツ4)で、緑色が17インチタイヤ(ADVAN db)の結果だ。
縦軸の音量は録音レベルに左右されるので相対値で見て欲しい。
周波数が上がるにつれノイズが低減されていくのは車の防音対策によると思われる。
防音は高い周波数程やり易く、例えば窓の開け閉めで車外騒音のような高音はかなり小さくなるが、エンジンの唸り音のような低音はあまり変化しないことからも想像できる。
また、人の耳の感度は1000Hzから5000Hz辺りが最も高く、低音や高音は聞きとりづらい。
人にもよるが、低音側は50Hzで-30dB(0.03)、100Hzで-20dB(0.1)、300Hzで-10dB(0.3)。
高音側は10000Hzで-3dB(0.7)、20000Hzで-10dB(0.3)。
これらの補正値も考慮して、細かく見ていくことにする。

まず、120Hz近辺までのなだらかなコブは、まだエンジンが回っていないので、路面から伝わる微振動と考えられる。
17インチタイヤ(ADVAN db)の方が-2dB(0.8)程小さいので、路面から伝わる微振動に差があったと考えられる。
なだらかなコブは、周波数補正値を加味すると100Hz付近で最大となり、200Hz付近の次のコブより -3dB(0.7)程小さい。
かなりの低音で、ゴーと聞こえる音の差を感じるのは容易ではないが、乗り心地(微振動)の差ははっきりと分かった。

次に200Hz付近にできたコブが、ガー音のロードノイズだ。
ロードノイズは速度と共に50Hzから500Hzに変化していくと言われている。
タイヤ変更による音圧差は-3dB(0.7)と、誰もが音が小さくなったと分かるレベルだ。

400Hz付近のコブは、タイヤパターンの横溝で発生するパターンノイズ(シャー音)で、速度と共に900Hzぐらいまで上がっていく。
ロードノイズとは-12dB(0.25)程の音圧差だが、周波数補正値を加味すると、ほぼ同じ程度の大きさで聞こえるノイズになる。
横溝パターンノイズの音圧差も-3dB(0.7)なので、タイヤ変更で音が小さくなったことが実感できる。

1000Hz付近のコブは、タイヤパターンの縦溝で発生するパターンノイズで、こちらは速度に関係なく、タイヤ毎に一定らしい。
横溝パターンノイズの400Hzとの音圧差は-10dB(0.3)程だが、周波数補正値を加味しても-6dB(0.5)なので、耳のいい人でないと縦溝パターンノイズでタイヤの差を感じることは難しそうだ。
タイヤ変更によって音色の違いはあり、17インチタイヤ(ADVAN db)の方が若干キーが高くなっているのだが、お分かりいただけるだろうか。

さて、1200Hz以降で17インチタイヤ(ADVAN db)のノイズが増えているのは、風切り音と思われる。
この日の風切り音の最大値は縦溝パターンノイズと同レベルだったので、測定時間の違いで、風速に違いのあったことに気づけなかった。

最後に10000Hz付近にもコブのあることに気付かれただろうか。
これはモーターのインバーターノイズ(ヒュィーン音)で、モーターの回転数、変速機がなければ速度に比例する。
インバーターノイズの周波数はもっと高くして聞こえづらくすることも可能だが、高音域の聞こえ方は人によって差が出やすいので、あえて誰もが聞き取れる周波数の音にしている車が多いようだ。
ロードノイズやパターンノイズに比べ、周波数補正値で-20dB(0.1)と、かすかに聞こえるノイズである。

次はコンクリート舗装とアスファルト舗装による路面の違いをみたい。

路面の違い比較 純正18インチタイヤ(パイロット スポーツ4)
路面の違い比較 17インチタイヤ(ADVAN db)

紫色がコンクリート舗装、緑色がアスファルト舗装の結果だ。
カーブしている登り坂で、速度は50~60Km/h。
いずれのタイヤもコンクリート舗装でノイズが増えている。
パイロット スポーツ4はロードノイズ(200Hz付近)で6dB(2倍)、横溝パターンノイズ(400Hz付近)で4dB(1.58倍)、縦溝パターンノイズ(1000Hz付近)で7dB(2.24倍)。
ADVAN dbはロードノイズで8dB(2.51倍)、横溝パターンノイズで4dB(1.58倍)、縦溝パターンノイズ(1000Hz付近)で6dB(2倍)。
これらの結果から、パイロット スポーツ4は耳障りな高いシャー音が大きくなり、ADVAN dbはガー音が大きくなるようだ。
但し、縦溝パターンノイズよりロードノイズの方が周波数補正値を加味しても大きいので、ADVAN dbの方が路面の違いが出やすいと言える。

今回は、登り坂なのでエンジンは回りっぱなし。
そこで、エンジンが回らない下り坂との比較もしてみた。

エンジン回転有無の違い比較 純正18インチタイヤ(パイロット スポーツ4)
エンジン回転有無の違い比較 17インチタイヤ(ADVAN db)

紫色が登り坂(エンジン回転あり)、緑色が下り坂(エンジン回転なし)の結果だ。
両タイヤとも下り坂でロードノイズ(200Hz付近)と横溝パターンノイズ(400Hz付近)が大きくなっている。
タイヤのノイズが下り坂で大きくなったのは、測定に使用したマイクの位置が助手席のヘッドレスト付近で、前輪の音を多く拾っているためと思われる。
坂道なので、登り坂では後輪の荷重が増し、下りでは前輪の荷重が増すためだ。
恐らく後席であれば、下り坂のノイズの方が小さくなる可能性がある。

下り坂のパイロット スポーツ4のみ70Hz付近にコブがあるのは、恐らくカーブでのタイヤ回転方向のねじれに起因するロードノイズ(ゴー音)だ。
ねじれに起因するロードノイズは両タイヤで6dB(2倍)の差で大きい。
タイヤ幅と扁平率の違いとゴム厚と言うか硬さも影響しているものと思われる。

50Hz付近での登り坂と下り坂での音圧差-3dB(0.7)と-4dB(0.6)はエンジン音の有無だ。
CIVIC e:HEVは4サイクルなので、周波数から逆算してエンジンは約1500rpmぐらいで発電用として回っていると思われる。
エンジン音には基本周波数の倍音、今回のケースだと100Hzや200Hzの音がロードノイズに混じっている。
籠り音の50Hzよりも、ゴー音の100Hzやガー音の200Hzの倍音の方が耳障りに感じる。
2つのグラフの登り坂(紫色)で、両タイヤの音圧差は、50Hzで0dB、100Hzで-4dB(0.6)、200Hzで-4dB(0.6)であり、エンジン音の大きさには差がないことから、ロードノイズの小さいADVAN dbの方がエンジン音を聞き取り易いことが分かる。

最後は高速道路での比較になる。

高速道路での比較
高速道路のジョイント部での比較

紫色が純正18インチタイヤ(パイロット スポーツ4)で、緑色が17インチタイヤ(ADVAN db)の結果だ。
動画では高速道路に多い高架橋を走行したので、ジョイント部を通過した際の比較もピックアップしてみた。
ここまで速度を40Km/h、60Km/h、100Km/hと上げてきたのに、200Hz付近のコブの位置が変わらなかったことに注目したい。
本来、このコブはロードノイズであり、車速と共に50Hzから500Hzに変化していくと言われている。
恐らくCIVIC e:HEVの場合は、低音域に働くノイズキャンセラーの周波数特性によって、200Hz付近にコブが表れていると考え直した方が良さそうだ。
比較するにはグラフの掲載位置が離れてしまったが、低速EV走行時に比べ高速道路での両タイヤのノイズの音圧差が、200Hzで-3dB(0.7)⇒-6dB(0.5)、400Hzで-4dB(0.6)⇒-7dB(0.45)と広がっている。
つまり、ADVAN dBは高速走行の方がより静粛性が高くなるタイヤのようだ。

トンネル内での測定データも載せておく。

高速道路のトンネル内での比較

トンネル内でのノイズは1000Hz付近にできた鋭いコブが特徴になる。
この鋭いコブはトンネル内の共鳴音と思われ、車の遮音性能に依存するのかタイヤの差は出ないようだ。
実際には試せないが、車を停止させたとしても聞こえるノイズと思われる。
共鳴音に対して200Hz付近のロードノイズは、周波数補正値を加味するとパイロット スポーツ4の-2dB(0.8)とADVAN dBの-5dB(0.6)。
同様に400Hz付近のパターンノイズは-3dB(0.7)と-7dB(0.45)といずれも小さい。
トンネル内がうるさく感じるのは、耳障りな1000Hz付近の共鳴音がタイヤノイズよりも大きく聞こえるのが原因と言える。
一方、トンネル外と比較すると、200Hz付近のロードノイズは6dB(2倍)と8dB(2.5倍)、400Hz付近のパターンノイズは8dB(2.5倍)と10dB(3倍)と大きくなっている。
ノイズがトンネルの壁面に反射して大きくなっているとすれば、タイヤによる差は出ないと思われるのだがADVAN dBの方がより大きい。
色々と調べたところ、トンネル内の舗装はコンクリートが多く、高速道路においてもコンクリートであったり、アスファルトとの中間にあるコンポジット舗装であるようだ。
結果として荒れた路面でロードノイズがより大きくなるADVAN dBの方が、トンネル内外でのノイズ差が大きくなったと考えられる。
とは言え、ADVAN dBの方が高速道路の全てにおいて、パイロット スポーツ4よりも静かであったことに変わりはない。

あとがき

筆の遅い筆者、執筆を始めたのが6月で公開に至るのが11月と、5ケ月も要してしまった。
既に我がCIVIC e:HEVはスタッドレスタイヤに履き替えている。
純正ホイールを利用したのでタイヤサイズは235/40R18、ド定番のブリヂストンBLIZZAKではなくナンカンAW-1。
AW-1は前車のフォード・フォーカスでも履いており、凍結路面での制動性能の高さがある反面、BLIZZAKに比べて腰がなく走行安定性が劣っていた。
そもそもREGNOやBLIZZAKはサイドウォールが硬いのか直進安定性が増し、ステアリングが必要以上に重くなり筆者的には好みではない。
ここ10日ほどADVAN dBからインチアップしたAW-1にして感じたことは、ダメダメと思われるAW-1の方が直進安定性がいいってことだ。
それは単に扁平率40でサイドウォールが強化された為なのかは分からないが、このAW-1は別物のようにすごくいい。
確かにロードノイズはADVAN dBよりは大きいが、パイロットスポーツ4のようなやかましさは感じない。
それよりもADVAN dBに比べて若干ではあるがしっとり感がある乗り味になる。
ドライ路面での摩耗がハンパないAW-1ではあるが、秋から1年で履きつぶすならアリかも知れない。
履きつぶすと言っても、偏摩耗が出る程の長距離はNGだろう。
筆者のように半径10キロ圏内でほぼ全てが間に合う地方都市に住んでいると、毎日車を利用しても年間走行距離が5000キロ程度だから2年ぐらいは行けそうだ。
BLIZZAKだと組み込みを含めて約19万円、他にADVAN dBがホイールを含めて約14万円、計33万円。
走行距離が短くてもゴムの劣化が進み、結局4年ぐらいしか持たない。
一方、AW-1だと約7.5万円が2年毎にかかり、計15万円。
あくまでも扁平率40のガチガチ系AW-1での話になる。

最後の最後で話が脱線したが、インチダウンによる静音化は大いに効果が得られるが、乗り味も大幅に変わるので、すべての人にお勧めはしない(筆者好みではある)
今の乗り味からあまり変えたくなければ、インチダウンせずにコンフォートタイヤに交換するだけの方が良い。
そして凍結路面を走る機会のある人なら、コンフォートタイヤの代わりにBLIZZAK並みに静かなAW-1を通年履く選択肢もありそうだ。
と言うのが結論である。

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