格安SIM選択で最後に読んでおきたいページ(4)

携帯電話
今のスマホ、どこで売る?

究極の通話対応「SIM」じゃないサービス

データ通信専用SIMで電話をするには、IP電話を使うことになる。
LINEどうしでの音声会話もIP電話の一種だ。
通常のIP電話は電話番号で相手と繋がるので、相手は普通の携帯電話や固定電話で構わない。

IP電話の電話番号は、SIMとは無関係にIP電話会社毎に取得できる。
取得した電話番号を持ち続けるには、固定の基本料がある会社と、一定の通話料チャージや一定期間内での利用があれば無料の会社がある。

お金をかけてまで取得したIP電話番号であるが、
050から始まることもあり、人によっては疑って電話に出てくれないこともある。
そこで050から始まるIP電話の代わりに、固定電話の電話番号が使えるクラウドPBXと言うサービスを紹介する。

クラウドPBXはSOHOなどのビジネス用途が主流だ。
社員数名の会社では、事務所が無人になることも多い。
従来の転送電話サービスでは、会社にかかってきた電話を携帯で受けられるが、
その逆は携帯から顧客に電話するしかなかった。
クラウドPBXは携帯からの電話を、会社の電話で顧客に転送できるから、
顧客にはいつでも、どこからかけても、会社からの電話とみられる。
顧客といつも会社の代表番号でやり取りができる為、信用度がUPすると言われている。

クラウドPBXのメリットは、携帯からの電話を会社の固定電話番号にできる。
だから個人用の携帯であっても、会社の電話として使えるのだ。
通話料も携帯から会社まではインターネット上のIP電話になるので無料。
顧客への電話は固定電話からの発信なので、全国一律8円/3分で会社側の負担だ。
また社員間は内線電話扱いになり、こちらも無料。
クラウドPBXは社員にも会社にとっても経済的だ。

ビジネス向けのクラウドPBXは月額2,000円程度から。
個人なら家族、友人はLINEの無料通話なので、IP電話を使わなくても済む音声対応SIMの1,260円があり、クラウドPBXには魅力がなかった。
そこに個人向けクラウトPBXとしてイエデンアプリ「ホーム」、月額500円が出てきた。

実家の電話は留守番電話にすると、
母の携帯に転送されてくる。
クラウドPBXだと何か便利になるの?

パナソニックのおうち電話だね。
おうち電話は、家の電話機にかかってきた電話を、IP電話を使って登録先の携帯に転送できる。
転送先のスマホに専用アプリを入れておけばIP電話どうしで無料。
転送先は普通の電話でもかまわないので、アプリを入れてないスマホやガラケー、もちろん固定電話もだ。
但し、IP電話どうしとならないので、通話には8円/30秒かかる。
たしかに基本料金が無料なので、イエデンアプリ「ホーム」の月額500円より断然安いと思う。

でも、おうち電話のアプリを入れても、スマホが子機として使えるのは自宅のWiFi環境下のみなんだ。
イエデンアプリ「ホーム」は外出先のスマホが自宅の固定電話の子機になる。
子機だから電話番号は携帯からかけても常に自宅の電話番号になる。

まだメリットが分からない。
SMS付きデータ通信専用SIMが630円、
イエデンアプリ「ホーム」が500円、
しかも自宅電話だと、家族の誰宛の電話かも分からない。
合計1,130円なら、1,260円の通話対応SIMの方がいいと思う。

イエデンアプリ「ホーム」の使い方は、次の2つだ。

1つ目は現在の固定電話番号のみを使うケース。
家族や友人はLINE通話で足りている。
お店などの予約や問い合わせならIP電話で十分だ。
つまりIP電話に出てくれそうもない相手にのみイエデンアプリ「ホーム」を使って、家の固定電話番号で電話する。
そして自分宛の電話は、050から始まるIP電話だと相手に伝えればよい。

相手がIP電話番号ではなく自宅の電話番号にかけてきても、もちろん自分のスマホで受けられる。
LINEの友達にならないような相手なら、他の家族が出ても問題ないだろう。

イエデンアプリ「ホーム」はおうち電話と同様に家族全員で使うもの。
月額500円。四人家族なら1人当たり125円になる。
また、通話料は8円/3分だから、長電話になりそうな問い合わせ先への電話にも有効だ。

家族で割勘にするんだ。

2つ目は現在の固定電話番号に個人毎の電話番号を追加して使うケース。
東西NTTの電話番号の追加は、初期費用なしで電話番号毎に月額100円。
イエデンアプリ「ホーム」も月額200円で追加の電話番号に対応する。
つまり月額300円の追加で、個人毎の固定電話番号が持てて、外出先でも使えることになる。
050から始まるIP電話は不要だ。

イエデンアプリ「ホーム」や東西NTTの番号追加は家族5人まで。
費用は以下だ。
今ある電話番号への電話は、家族全員または特定の人のみで受けることもできる。

人数イエデンアプリ
「ホーム」
東西NTT
番号オプション
1人当たり
月額費用
2 700円200円450円
3 900円300円400円
41,100円400円375円
51,300円500円360円
会社用なら、お勧めはここ

自宅電話番号のイエデンアプリ「ホーム」に死角はないのか

家庭用電話機のほとんどには留守電機能があり、工場出荷の状態では、概ね20秒ほど呼び出しを続けると自動的に留守電モードに切り替わってしまう。
つまり,イエデンアプリ「ホーム」での呼び出しに誰も出なかった場合、家の電話機は留守電モードに切り替わる。
留守電モードに切り替わった家の電話機は、その後は1,2秒で留守電着信となるので、スマホ側で着信することが難しくなる。

家の電話機が自動的に留守電モードにならないようにした場合はどうか。
イエデンアプリ「ホーム」はビジネス向けとの競合を避ける為か、通常のクラウドPBXで備える留守電機能がない。
結局、家にいない時に電話機を留守電モードにできないと言う、矛盾した運用を強いられる。

スマホの留守電機能は使えないの?

海外製のSIMフリースマホの多くは留守電機能が付いていない。
また、留守電機能のあるスマホは、携帯電話の着信にのみ対応する。
IP電話の留守電はIP電話アプリが対応するので、留守電機能のないスマホでも対応できる。
さて、イエデンアプリ「ホーム」は専用のアプリが必要。
専用アプリには今のところ留守電機能がないので、残念ながら留守電不可だ。

他にデメリットは?

イエデンアプリ「ホーム」は家の固定電話から通話先に転送される仕組み。
但し、おうち電話のように電話機が通話を転送するのではなく、自宅のひかり電話がインターネット回線を経て電話回線に接続される仕組みを利用している。
イエデンアプリ「ホーム」のスマホは、自宅のひかり電話の代わりなのだ。
だから自宅のひかり電話と同様なことができてしまうのだが、110や119の緊急通報をすると、自宅から最寄りの警察署や消防署につながってしまうため、スマホからは電話ができないようにされている。
結果、イエデンアプリ「ホーム」は他のIP電話と同様に110や119の緊急通報ができない。

アプリで警察署や消防署の指令室と
直接繋がればいいんだけど。
まだまだ先の話でしたね。

家庭用クラウドPBXは、新しもの好きの究極プランとしておこう。

会社用なら、お勧めはここ

ガラパゴス携帯の名残、キャリアメールはどうなる

スマホの登場以前から携帯でのネット利用が進んだ日本には、写メールから始まったキャリアメールと言うガラパゴスな機能がある。

えっ?
携帯メールって日本独自なの?

海外で携帯メールと言えば、電話番号で送れるSMS(ショートメール)のことだ。
SMSは通話機能を拡張したもので、通話方式が異なると届けることができない。
海外では通話方式が最大でも2種類しかなく、早くから相互接続が行われ、携帯会社間でSMSが送れない問題は解決できていた。
一方、日本の携帯会社は、通話方式が3種類もあり相互接続できないとして、長い間、携帯会社間でのSMSが使えない状態が放置されたんだ。

携帯会社が違ってもSMSを送れるようになったのは
いつ頃から?

海外に遅れること約10年。2011年からなんだ。
日本ではキャリアメールが普及していたので、SMSは携帯会社からのお知らせメール専用のようなものだった。
ほとんどのユーザからするとSMSで他社携帯にメールが送れるメリットは感じない。
本当は海外の携帯にもメールが送れるメリットがあるのだが、キャリアメールならPCへメールが送れたので、やはりメリットを感じる人は少なかったと思う。

では、なぜ、2011年になって日本の携帯会社はSMSを相互接続せざるを得なくなったのか。
恐らくネットサービスの国際化が大きいと思う。
金銭を伴うネットサービスにはユーザ認証が欠かせない。
携帯電話番号を基にするSMS認証は、日本を除く世界共通の技術だ。
SMSが他社に送れない日本は、携帯とキャリアメールアドレスが紐づけられたので、ユーザ認証と言えばキャリアメールアドレスの登録が主流だった。
それがネットサービスの国際化で通用しなくなったのだ。

日本での携帯会社間のメールは日本独自のキャリアメールである。
キャリアメールはPCメールともやり取りができ、
写真などのファイルの添付ができ、
SMSのような文字数制限もない。
ちなみにSMSの文字制限は最大70文字とされるが、
ソフトバンクとauのスマホは最大670文字であったりして、
まちまちなため、SMSでの文書入力時に文字数が表示されない端末も多い。

SMSで長い文書を送ると届かないことがあって、
いちいち文字数を数えるもの面倒くさいし、
使うのはロングメールばかり。
ロングメールのどこがいけないの?

日本での携帯メールは、ロングメールとも言われるキャリアメールだ。
キャリアメールはSMSと同様、リアルタイムに着信が分かる。
しかし、メールを使いだして誰もが気付くのは、送信数に比べて受信数が圧倒的に多いことだ。
そして、受信する多くのメールは、読む必要もない広告メール。
広告メールが届くたびに着信音が鳴るのは迷惑そのものだ。
そして何よりも、SMSと違い、ガラケーでキャリアメールの本文を見るには通信料金が発生する。

広告メールを送る業者側からすると、SMSは送信毎に送信料が発生。
一方、キャリアメールはPCから送信できるため、固定料金のみで何通でも送信できる。
こうしてキャリアメールは広告メールの格好の餌食にされてしまったのだ。

ロングメールに広告メールなんてほとんど入らないけど

このような経緯があって、携帯各社は携帯からのメールしか受け付けない設定を施したんだ。
この設定によって、携帯からPCへはメールが送れるが、
何も設定を変えないと、送った相手からの返信メールが届かない状態になってしまった。

たまにだけど、メール送った相手から全然返信がなくて、
それって知らないうちに私が着信拒否してたってこと?

もし、相手の人が貴方のメールアドレスしか知らされていない場合、貴方へ送ったメールが届かないんだらか、音信不通だよね。
その後、貴方が気にして何度もメールを送ろうが、相手は返事のしようもなくなる。
一番問題なのは、そうなることを知らない人が多いことなんだ。

そういえば、最近、友人とは専らLINE。
メール使ってないなぁ。

LINEでなくメールでやり取りする相手って、結局、メールアドレスのみで繋がる粗な関係の人が多い。
粗な関係だからこそ、相手が携帯メールアドレスでなければ、できればこちらもフリーメールアドレスではないPCメールで送った方が信頼度や安心度が増す。
これはIP電話と同様で、理屈じゃないんだ。

キャリアメールのメールアドレスは、携帯会社が変わると移行期間なしで強制的に変更されてしまう。
これは携帯メールアドレスが個人認証に利用された歴史によるものだ。
現在、個人認証はほぼ国際標準のSMSに切り替わっている。
スマホであればメールの受信毎に通信料が発生することもなく、携帯各社以外からのメールを着信拒否する弊害の方が大きくなっている。

えっ!
携帯を乗り換えしてもメールアドレスって変わらないの?

PCのメールアドレスには、gmailなどのフリーメールアドレスの他に、家のインターネット接続で利用するプロバイダが提供するメールアドレスがある。
プロバイダのメールアドレスは、インターネット接続会社を変更するときにプロバイダも変えると使えなくなるが、
メールアドレスのみ使い続ける希望を出すと、月額100円から300円でメールのみ使い続けられる。
今までのメールアドレスに届いたメールを、新しいメールアドレスに自動転送するようにして、
1年程度経ったら、古いメールアドレスの利用を止めれば、メールアドレスの変更がスムーズに行える。
キャリアメールは個人認証に用いられた歴史があるから、メールアドレスを一時的に2つ持つことが許されない。
だから乗り換えたとたんに使えなくなってしまう。

これからのメールは国際標準のPCメールとSMSが必須だ。
もちろんキャリアメールはあっても構わない。
しかし、自分宛のメールがPCメール、キャリアメール、SMSと別々のアプリに着信する訳で、
PCメールで代用可能なキャリアメールを残す意味は少ないように思える。

キャリアメールが使える格安SIMはY!mobileとUQモバイルに限られる。
PCメールで済ませられるかは、相手が携帯メールアドレスだったら、まずはPCからメールを送って届くか確認してみよう。
届かない相手の方が、メールの着信拒否設定を自身で変えられそうなら大丈夫だ。
ダメでもLINEやSMS、電話で事足りるならOKとしよう。

国際標準のSMS認証が定着し、役目を終えたキャリアメール。
メールサーバとの接続方法が携帯会社独自なので、スマホで使うには専用のメールアプリが必要。
だから携帯会社の販売するスマホでしか使えない。
サーバ上のメールを永遠に残しておけるgmailなどと異なり、端末で開かなかったメールは数か月もすれば勝手に消されてしまう。
端末に残したメールも、端末が壊れれば、当然、読めなくなる。

ロングメールのダメダメなこと、
何で誰も教えてくれないの?

日本の約8割の人は携帯会社の乗り換えをしたことがない。
通話料が高いとか苦言を言うものの、他がどうなのか調べたりしないから、不自由であることにも気付かないんだと思う。
格安SIMに乗り換える人も、多くは料金比較のみだから、データ通信使い放題とか、3GB月額1,600円プランとかが人気になっている。
キャリアメールが使えない格安SIM会社が、キャリアメールのデメリットを説明したところで、PCメールはどのスマホでも使えるから宣伝要素にならない。
キャリアメールの使える携帯大手が、わざわざ「不自由ですよ」とは言わない。
ニッポンの常識は世界の非常識。
まぁ、ガラパゴス携帯の名残だからしょうがないか。

閑話休題的な話題だったが、次頁では格安SIMを使いこなすうえで必要なIP電話とPCメールに、どんな究極プランがあるのかを紹介する。

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