NEXT to Focus #0|判断基準の3代目フォード・フォーカスとは

このブログは自動車評論家ではない筆者が、フォード・フォーカスの次に乗りたいと検討した車を乗り味、デザイン、使い勝手、そして所有感が持てそうなことに焦点を当てた超主観的な試乗記である。
判断基準とするフォード・フォーカスは2013年製。
7代目フォルクスワーゲン・ゴルフが登場する前年の2011年から販売され、2012年上半期には、単一車種として世界で一番売れたグローバルカーである。
但し、この車を日本国内で見かけることはほとんどない。

まずは筆者の乗る3代目フォード・フォーカスの前期モデルについて紹介するが、乗り味なんて今のところゴルフとの違いぐらいしか説明できないのであしからず。

フォード≠アメ車

まずフォード=アメ車のイメージがあると思うが、フォーカスはイギリス・フォードとドイツ・フォードの合併でできたヨーロッパ・フォード社で開発されている。
また、元フォード・ジャパン社の方からの話では、テスト走行は日本でも行っていたようだ。
1999年に登場した初代フォーカスは2000年に日本にも導入され、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでは輸入車部門でメルセデスのCクラスに次ぐ第2位になっている。
また、1999年と2000年の2年間は、シリーズ生産台数がフォルクスワーゲン・ゴルフを抜いて世界一にもなった。
つまり、世界的には、フォーカスはゴルフと同じぐらいメジャーなクルマなのだ。
しかし、当時の日本のフォード販売店は、オートラマ店で販売していたマツダのOEM車を引き継いだためか、小型車のフォーカスなど注目もされず、アメリカ・フォードのエクスプローラばかりが売れたのである。
かく言う筆者もフォーカスに乗るまでフォード=アメ車な人であった。

3代目フォーカスの弱点にディーラーが神対応

筆者の乗る3代目フォーカスは2013年から日本で販売される。
ヨーロッパやアメリカでは2012年からで、その年の単一車種で世界で一番売れた車になった。
「これ絶対いいクルマ」なのだが、日本で購入できたのは2リッターNAのガソリン車のみ、グレードも1種類、ATのみ、オプションもなし、とよく言えば厳選、悪く言えば売る気なしでの登場となった。
価格は291.3万円。当時バカ売れしたボルボV40が304.5万円からだったので、お買い得だったのだが。
V40とフォーカスがプラットフォーム、エンジン、6速DCT(DSG)までも同じで、これら部品がフォードからボルボに提供しているのだからフォーカスの方が原価的に安くできたなんて、ほとんどの人は知らなかったんだろうなぁと思う。
結局ブランドイメージでV40は売れ、フォーカスは売れなかったようで、筆者は2年落ちのデモカーを138万円と言う格安で手に入れることができた。
破格であった理由は、単に不人気車と言うだけでなく、日本でのDCT(DSG)に対するトラブルが多いという評判の悪さがあったためではないかと思われる。
フォルクスワーゲンの湿式6速DSG以外は乾式クラッチだったわけで、これが高温多湿の日本で、かつStop & Goの多い交通事情が重なり、クラッチの消耗がハンパなかったようだ。
特に日本に導入したフォーカスはダウンサイジングターボではなく、走り出しがパワフルな2リッターNAで、よりクラッチへのダメージが大きかったのは事実である。
クラッチが消耗しだすと、いわゆる半クラッチ状態となる特定の低速域でジャダー(細かくブレーキがかかったようなガタガタ振動)が発生する。
そして、この状態が多いとクラッチの消耗を更に加速させてしまう。
地方に住む筆者は5年目の車検の前にジャダーがかなりひどくなって、クラッチを交換している。
2年落ちのデモカーを購入する際に、ディーラー側でクラッチ交換をしてくれたので、3年ももたなかったことになる。
そして7年目の車検時に、メーカー保証期限が切れるとのことで、ディーラーさんがクラッチを交換してくれた。
これで少なくとも10年目ぐらいまではクラッチ交換せずに済むはずだ。
「えっ!7年で3回もクラッチ交換?」と言われるが、どうも他のメーカーさんは部品交換に消極的みたいで、それがそもそものクレームの原因じゃないかと。
ワイパーブレードのように簡単にクラッチ交換してくれたフォードであるが、2016年に日本から撤退。
その後、パーツ供給の会社のみが残ったのだが、今はほぼ海外からの取り寄せになっており、部品交換に2,3ケ月待ちがフツーになってしまった。
まあ、整備士さんから聞いた話だが、クラッチの消耗は片減が原因なので、部品交換せずにクラッチ板を削る方法でも対応できるとのことなので、10年目以降も乗り続けられないわけではないのだが・・・。

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売れるのが当たり前、知らなかったのは日本のみ?

さて、メーカーの売る気のなさを感じるフォーカスは、当然ながら日本仕様へのローカライズがされていない。
液晶モニターの表示言語に日本語はないし、燃費表示はリッター当たりのキロ数ではなく、100km走れるリッター数、つまり逆数ね。
音声操作も当然日本語には対応していない。
しかし、グローバルカーであるフォーカスの右ハンドル仕様は、方向指示器やワイパーレバーも日本車と同じになっており、使い勝手的には他の欧州車より日本仕様なのだ。
ちなみにワイパーは両開きタイプなので世界共通、ボンネットを開けるレバーは流石に助手席側だ。
話がインテリア関連になったので少し説明すると、ゴルフよりは見栄えがよいかな?って程度。
必要に応じてレザーとプラスチックが使い分けられているのだが、プラスチックの表面を梨地ではなくレザーに似せているので、ゴルフのようなプラスチック感が少ないのだ。
計器類の針が水色で光ったり、100ケ近くありそうな白く光る自照式ボタン類、赤色LEDのアンビエントライトはヘッドコンソールにも付いていたりで、夜間の演出も中々のものである。
ちなみに液晶モニターの表示も水色、白、赤の3色で構成されている。
後席も含めて大き目のシートは、レザーと布の使い方が絶妙でしっかりと体をサポートしてくれる。
後ろになだらかに下がるように見える外観はデザインの妙で、後席のヘッドクリアランスも十分に確保されている点が、後席を犠牲にしたボルボV40や、単調なデザインになってしまったゴルフに優るところだと思う。

そして極め付きは、何といっても給油口を覆うフューエルドア。
テールランプと一体化されたデザインは、給油口と気付かない人もいる。
フューエルドアは直接押すことで開けられ、キャップレスなので給油ノズルをそのまま突き刺すだけと、セルフ給油が当たり前となった今では超便利なのだが、今回の試乗をしていく中で、キャップレス給油口の車って輸入車も含めて本当に少ないことが分かってきた。
他にフォーカスで特徴的な装備としては、ヒーターが全面に入ったフロントガラスが採用されている。
Quickclear Heated Windscreenと言うものでフォードが開発し、今では日本以外の多くのメーカーでも採用されている(いつから日本は南国になったのだろう)。
波形状のヒーター線が約2.5mm間隔でフロントガラスに入っているのだが、非常に細いので近づいて見ない限りヒーターに気付く人はいない。
逆光時に若干ぎらつきが発生する弊害はあるものの、冬場の霜取りが数分でできてしまう便利さは雪国ユーザにとってはありがたい。
ちなみにガラス屋のおやじが言っていたが、スクレーパーで霜を掻き取るとガラス表面に傷がついて、ますます霜が付きやすくなるそうだ。

フォーカスはドイツ人が造るアンチ・ゴルフ派の車だ

世界的にはCセグメントのハッチバックの2強は今もゴルフとフォーカスだと言われている。
良くも悪くもドイツ色の強いゴルフに対して、フォーカスはドイツ人が造るアンチ・ゴルフ派の車だ。
車の状態を積極的にドライバーに伝えてコントロールさせようとするゴルフに対して、フォーカスはドライバーの意思を車側が読み取って応えるタイプではないかと思う。
限界点に近い状態まで攻めた走りの出来るゴルフに対して、攻めた走りなどせずに楽に走らせられるのがフォーカスである。
もちろんドイツ車の限界点は相当高いレベルなので、フツーの人は攻めた走りなどしたくてもできないというのがフォードの考え方なのだろう。
例えばちょっとした山道のワインディングで、「機械なんぞに頼れるか」って頑固なゴルフ派は、きっとマニュアルモードで走ろうとするだろうし、「機械に任せちゃっていいんじゃない」ってフォーカス派はドライブモードのままで走ろうとする。
マニュアルモードで走るから楽しいと思うか、ドライブモードのままでも走れちゃうのが楽しいかは人それぞれだ。

今の車、どこで売る?

今も残るフォード車ディーラー4店舗+サービスメンテ70ケ所

とても残念なことだが、日本では知る人ぞ知るヨーロッパ・フォード車の新車を正規ルートで購入できるのは、岐阜と三重に3店舗展開するFLCと、フォード栃木のみになってしまった。
但し、全国に70ケ所以上はある元フォードディーラーの大半は今でもサービスメンテを継続しているので、新車を試乗せずに買って乗るには、それほど問題がないのかも知れない。
まぁ、部品はその都度取り寄せになるだろうから、2,3ケ月待ちの覚悟は必要だが。
後期モデルで多段トルコンに戻した3代目フォーカスは、7段DCT(DSG)と3気筒1リッターターボにモーターアシストを付けて4代目で復活したようだ。
筆者はと言うと、そこまでのファンでないというか、実車を見ずして買う人ではないので、4代目フォーカスの選択肢はない。

気になる車リスト

最後に今回の買い替えで気になっている車のリストを記しておこう。
筆者はフォーカスの楽ちん運転にならされてしまったために、気難しいゴルフは苦手である。
旅行の大半も車なので、駐車場に困る車高155cm超えは避けたい。
重い荷物を積むことがあって、セダンのように荷室が深く沈み込んでいる車も避けたい。
Dセグメントである必要性は低いのだが、筆者の運転だと今のフォーカスが3人乗りになるのがちょっと悲しいと思っている。
庶民のフォード車からの乗り換えだから、いわゆるドイツ御三家などの高級車も選択の範疇にある訳もない。
好みのボディカラーはイエローなのだか、設定のある車種は少なすぎるので、白、黒、シルバーはなしとしている。
デザインも重視するが、これは説明しようがないので。

  • フォルクスワーゲン・アルテオン
  • ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー
  • シトロエン・C4
  • シトロエン・C5X
  • プジョー・308SW
  • マツダ・MAZDA3
  • ホンダ・CIVIC
  • スバル・レヴォーグ

う~ん。レヴォーグ以外かなりデザインに寄っていないかとも思えるが・・・。
試乗レポートは順次掲載する予定だ。


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