オープン書棚に挑戦(組立編)

暮らしのアイデア工作
オープン書棚に挑戦(組立編)

アイデア工作の難易度 : 3.0

このページをいきなり読み始めた人は、是非、上の「理想の書棚とは ~捨てられない本たちのために~」から読んで欲しい。

スリム6段を2つ使って3列の下部ユニットを作る

さあ、いよいよ組み立ての説明だ。
まず、ニトリのカラーボックスCOLOBO(カラボ)のスリム6段を2つ使って、下部ユニットの1つの組み立て方を説明する。

「ニトリ COLOBO 組立説明書」より抜粋

COLOBOの棚板は約3.3cmピッチで高さを変えられるよう、側板にはダボ用のくぼみが設けられている。
また、棚板はネジ止めもできるように、側板に下穴が開けられているのだが、ダボ用のくぼみと違い、一部下穴が開けられておらず棚板が付けられない個所がある。

COLOBOの組立説明書で、側板の外側にある小さな丸が下穴ってことですよね。

この組立説明書によると、天板、中央板、底板は強度を保つためにネジ止めせよとある。
一方、A4サイズの本を入れるには、棚板の位置を下穴11個分の約36cm間隔で5段構成にする必要がある。
この5段構成では、中央板(下から3段目)や天板(下から5段目)の位置にネジ止め用の下穴がないので、ドリルで穴を開けてネジ止めすることになる。

下から2段目と4段目の棚板は、ネジ止めとダボのどちらでも構わないが、ダボで止めると棚板の位置が1.5cm程上にズレるので、各段の高さを揃えたければネジ止めにする。

下部ユニット組立説明図

下部ユニットは、①と②、③と④が元々のスリム6段になる。
②の棚板は側板の外側に付ける為、ダボ用のくぼみがないから、全てネジ止めになる。
また、隣り合う①や③とは下穴を共有できないので、各棚板の位置を下穴1つ分上にする。


①と③は溝のある側に棚板を付ける。
②の棚板は溝のない側だ。
棚板には前後と裏表があるので、方向性に注意して取り付ける。

他に気を付ける点は?

下穴は組立て前に開けておく。
COLOBOの側板は、パーティクルボードの表面に化粧シートが貼られている。
この化粧シートは滑り易いので、きりや千枚通しで下穴の位置を目印しておくと、ドリル刃が誘導されて穴あけがし易い。

パーティクルボードは固くてもろいので、側板に添え木を当てて、ドリルで穴を貫通させた際に欠けが生じないようにする必要がある。
添え木として使う端材は、この後説明する幕板の取り付けにも使用するので、入手が難しいようなら、安価な1×4材を購入するもの手だ。
200~300円程度だと思う。

端材をタダではなく、いくつも買うようなら、
1×4材を1本買った方が確かに安いかも。

次に、下部ユニット組立説明図のように、棚板の片側だけを側板にネジ止めする。
片側に棚板の付いた①に②をネジ止めし、更に②に③を、③に④をネジ止めしていく。

COLOBOの組立説明書のように、最初に③と④をネジ止めして普通のカラーボックスにしてしまうと、何か問題があるんですか?

スリムシリーズは棚板の幅が20cmと狭いので、電動ドライバーでカラーボックスの内側からネジ止めするのが困難なんだ。
内側からのネジ止め作業をしないためには、説明した手順を守る必要がある。

COLOBOの組立説明書には「ネジは8割ぐらいに仮止めする」とある。
ゆがみのない状態に組み立てるには、書棚を立てた状態で、各ネジを均等に締め付けていく必要があるからだ。
この最後のネジ締めはカラーボックスの内側からになるので、手回しのドライバーかラチェットレンチを使うことになる。

軽い力でネジ締めができるラチェットレンチがあるといいんですよね。

①から④までを繋ぎ終えたら、突き板を①と②、③と④の溝にはめ込んで取り付ける。
突き板は底板(1段目)、中央板(3段目)、天板(5段目)にネジ止めする。
3段目と5段目の位置には下穴がないので、ドリルで開ける必要がある。
ネジ止めする棚板が添え木の役目を果たすので、この状態で直接、ドリルで下穴を開けて構わない。

中央の列の突き板は、別途、化粧ベニヤを幅20cmに切断したものを使うが、この段階では取り付けない。

幕板取り付け例
端材を使った幕板の固定例

中央の列の一番下の棚と床には約3.3cmほどの隙間ができてしまう。
幅20cmに切断した突き板用の化粧ベニヤを、高さ3.2cmに木工用カッターで切断し、ほこり除けの為の幕板(20×3.2cm)にする。
幕板を写真のように取り付けるには、支えが必要だ。
支えには、下穴を開ける際に必要だった端材や、プラスチック等の箱状のものが使える。
強度は必要ないので、両面接着テープで止めるのが楽だが、もちろん本格的に釘やネジで止めても良い。
尚、COLOBOの棚板はビニール被覆のような化粧シートで覆われているので、接着剤を使うなら、木工用ではなく万能タイプが必要になる。

下部ユニットのみで使用する場合は、中央の列の突き板を付ければ完成だ。
中央の列の突き板ははめ込み用の溝がないので、5段の棚板全てにネジ止めした方が良い。
ダボ用のネジが大量に余るはずなので、それを使えばいい。

上部ユニットを載せる場合は、中央の列の突き板はまだ付けない。

化粧板の剥がし方

上部ユニットを載せる場合は、側板の上部のプラスチック製の化粧板を剥がす。
化粧板があると接合部が滑って組立てづらいだけでなく危険だ。
木工用カッターで化粧板の端をめくったら、ラジオペンチを使って巻き上げると、簡単に剥がすことができる。

手際よく作業ができたとして、下ユニットの製作には2~3時間かかる。
棚板を付けるだけでも、ネジ締めは60ケ所、その内、下穴を36ケ所開ける必要がある。

W65を2台作るには2日はかかりそう。

手順が前後してしまうが、W150 x H233 を作る場合は、下ユニットを2つ並べて棚板で繋ぐことになる。
この棚板は書棚を移動するときに外す必要があるので、一番下の棚板と一番上(5段目)の棚板を除き、ダボで止めておいた方がいい。
ダボの位置は下ユニットの中央の列と同じなので、下部ユニット組立説明図の①または④の側板にダボを取り付ける。

「ニトリ COLOBO 組立説明書」より抜粋

側板の外側にはダボ用のくぼみはないので、該当する位置の反対側からドリルでダボ用のくぼみを貫通穴にしてしまう。
COLOBOのダボはネジ止めするんだが、側板に直接ネジ止めするのではなく、やわらかいプラスチック製のダボを、くさび状のネジで膨らまして抜けづらくしているだけなので、貫通穴にしても大丈夫だ。
この穴あけもユニットの組立前に行っておく。

1段目と5段目の棚板をダボで止めないのは、強度的な理由で?

実際に組み立てると分かるんだが、全ての棚板をダボで止めるのは大変難しい。
詳しくは、また後で説明する。

スリム3段を2つ使って3列の上部ユニットを作る

上部ユニット組立説明図

上部ユニットも下部ユニットと同様に組み立てていく。
①と③の棚板は一番下の穴位置から、約36cm間隔で2枚を、片側だけネジ止めする。
②の棚板は下から約3.3cmの穴位置からになる。

棚板の片側だけを側板にネジ止めが終わったら、①に②をネジ止めする。
次いで、②に③を、③に④をネジ止めしていく。
ここまでは下部ユニットと全く同じだ。

W150 x H233 を作る場合は、こちらも下部ユニットと同様に連結用の棚板を止めるためのダボを①または④に付けられるよう、ダボ用のくぼみを貫通穴にしておく。
下部ユニットと異なり、連結用の棚板は全てダボで止めるので、ダボを付けておく。

説明は後とのことなので、
とりあえず連結用の棚板は、下部ユニットの1段目と5段目がネジ止めで、
それ以外をダボで止めるんですよね。

次に側板の下部のプラスチック製の化粧板を剥がす。
下部ユニットとの結合部に当たる部分だ。

突き板を①と②、③と④の溝にはめ込んで、書棚を立てた状態で、各ネジを均等に締め付けていく。
この時、突き板は、1段目の棚板のみで仮止めのままにする。

下部ユニットと同じと思い込んで、突き板をしっかり止めちゃいそうになるけど、仮止めのままにするのがポイントなんですね。

上部ユニットを載せてW65 x H233を完成させる

上部ユニットを載せると、書棚の重さは約35Kgになる。
ここからの作業は、書棚の移動距離を少なくするため、設置位置近くで行った方が良い。
書棚を立てた状態で、壁と平行になっているかを確認しながら、ゆがみが出ないようにネジ締めをしていく。

下部ユニットの側板に上部ユニットとの連結金具を取り付けてから、上部ユニットを載せる。
上下のユニットの側板同士のズレが均等になるよう、上部ユニットの位置を微調整して、連結金具で固定する。

ところで連結金具って、ネジ穴がいくつも開いた平板のことですよね。

連結金具の例

私は写真のようなT字金具を使った。
W150 x H233 を作る場合は、左右ユニットを棚板で繋げる側で、連携金具と棚板が干渉しないように、上ユニットへの金具の取り付け長さを3cm以下にする必要がある。
背合わせの書棚とも連結金具で固定する。
壁を背に設置する場合は、9~12mmの合板やラワン材を壁に取り付けておいて、書棚を設置する際に、合板とL字金具で固定する。

次に上部ユニットの突き板の仮止めネジを外し、下部ユニットの突き板と繋がるように、上部ユニットの突き板を下げる。

上部ユニットの突き板は、下部ユニットの溝に入るよう下げるんですね。
だからネジを仮止めのままにしておいたんだ。

上部ユニットの突き板は、ネジ止め用の下穴の位置に棚板がないので、新たにドリルで下穴を開けて棚板にネジ止めする。
この下穴は予め開ける必要はなく、この段階で構わない。
突き板は薄いが、硬いMDF(プリント紙化粧繊維板)でできているので、下穴なしでのネジ止めは困難だ。
上部ユニットの棚板2枚ともにネジ止めする。

中央の列の突き板は、別途、化粧ベニヤを幅20cmに切断して使う。
長さ220cm~230cm程度は1枚板で対応できないので、2~3枚で繋ぐことになる。
突き板用の溝がない側なので、全ての段の棚板にネジ止めする。

これでW65なら完成ですね。

横に繋げてW150 x H233にする

最後はW65 x H233を2つ繋げたW150 x H233の説明だ。
幅20cmの棚板で繋ぐので、65cm×2+20cm=150cm幅になる。
W150 x H233は20cm幅の棚板が7列ある書棚だが、中央の列には突き板がないので、巾木のある通常の壁を背にして設置すると、棚の奥に1cm程度の隙間ができてしまう。

薄い本や小物を、書棚の後ろ側に落とす心配があるってことですね。

万が一、後ろ側に落ちてしまっても、突き板がないので1段目の本を出せば、壁際に手が届くので取り出せると思う。
突き板を付けて一体構造にしないのは、書棚が大きくなりすぎて移動ができなくことを避けるためだ。
W150 x H233は連結用の棚板を外すことで、いつでもW65 x H233に戻せて容易に移動ができる。

早速、設置方法を説明する。
ここからは書棚を設置する場所での作業になる。
作業をする上で、書棚を含めて壁際に幅2m程度のスペースが必要だ。

W65 x H233が2つ。
下部ユニットの中央列の1段目と同じ、予め幕板を付けた棚板も1枚用意する。

端材を使った幕板の固定例

こんなんでしたよね。
裏返しだけど。

作業スペースは書棚の左右いずれかに確保する。
作業スペースと反対側にW65 x H233を1つ設置して、幕板付きの棚板をネジ止めする。
ネジは8割ぐらいの仮止めにしておく。

次に、もう1つのW65 x H233を設置して、幕板付きの棚板をネジ止めする。
この時、無理をして書棚と連結用の棚板に隙間ができないようにする必要はない。
ネジは抜けない程度にして、5段目の棚板も同様にネジ止めで取り付ける。

作業スペースに入って、棚板と側板に隙間がなくなるように、書棚を寄せ、抜けない程度に止めたネジを8割ぐらい締める。

次に、他の連結用の棚板をダボに掛ける。
最後に、1段目と5段目の棚板のネジを締める。

棚板を全部ダボで止められない理由は?

固定されない2つの書棚の間に連結用の棚板を入れようとすると、書棚と棚板にわずかな隙間が生じてしまう。
書棚の間隔が開きすぎると、棚板のくぼみがダボの突起に入りづらくなる。
このため、棚板を止める毎に書棚を寄せるが、誤って寄せすぎてしまうと、止めてあった棚板がダボから外れて落ちてしまう。

先ほど説明した方法で、1段目と5段目をネジで仮止めすると、書棚の間隔が開きすぎることがないので、残りの棚板をダボで止めることができる。
この状態から仮止めのネジを締めても、棚板の幅を下回る間隔にはできないため、ダボで止めている棚板が外れるようなことはない。

ところで書棚の間隔は上下のユニットでわずかに異なっている。
上部ユニット間の棚板をダボで止められない、あるいは棚板が入らない場合は、上下ユニット間の連結金具のネジを緩め、上部ユニットの位置を調整し直して、棚板をダボではなくネジで仮止めする。
上下ユニット間の連結金具のネジを締めた後、側板と棚板に多少の隙間があっても大丈夫なので、無理のない範囲で棚板のネジを締める。

棚板のネジは8割のままでも大丈夫?

仮止めのままでも、2つの書棚は固定されているので、棚板が動くようなことはない。
大丈夫だ。
但し、ネジが緩すぎると、側板より飛び出るネジ頭に本が引っかかって傷つくことがある。

W150は書棚同士を連結するのが難しそうだけど、これを応用すればもっと大きな書棚にもできますね。

W65 X H233 を3つ繋げれば11列で幅235cm、4つなら15列で幅320cmの書棚になる。
それぞれ6畳間の短辺、長辺の壁一面の大きさだ。
準備編で説明したように、書棚の大きさに関係なく、転倒防止対策はしっかりする必要がある。

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